危ういぞ!パートタイム労働法


 「パートタイム労働法」見直しを検討している厚生労働省労働政策審議会・雇用均等分科会(横溝正子分科会長)が10日開かれ、年内の取りまとめにむけて、総括的な議論がおこなわれた。以下、二〇〇六年十一月十一日付「しんぶん赤旗」記事転載。

 検討されているのは、パートタイム労働者について、賃金や賞与、諸手当、退職金などの正社員との「均衡処遇」のあり方、教育訓練、福利厚生、正社員への転換制度などについてです。


 パート労働者数は1200万人にのぼり、近年は若い層のなかでも急増しています。平均時給は974円、賞与や福利厚生などでも正社員と大きな格差があります。


 働いても生活保護以下の生活しかできないワーキングプアなど社会的格差と貧困が社会問題となる中で、パートタイム労働者の労働条件の改善は急務となっています。安倍首相も国会答弁で「均衡処遇や能力開発等を進めるためのパート労働法の改正」に言及するなど、社会的にも注目されています。


 しかしこの間の審議のなかでは、パート労働者への差別の禁止や均等待遇の明記などを求める労働者側委員にたいして、日本経団連など財界側の委員からは、パート法の見直しそのものが必要ないという立場を露骨に示す発言が相次ぎました。


 「パート労働者は本人も納得して働いているのだから、法律でこれ以上、規定する必要はない」「正社員とパートに格差があるのは当然」など法改正自体につよく反対する意見や、待遇の悪さを労働者の側に問題があるとする発言も出され、すべての項目で大きく対立しています。


 次回、公益委員による報告書案が提示される予定ですが、どこまで分科会としての合意が得られるのか不透明です。厚労省は、来年の通常国会にパート法改正案の提出をめざしています。