激闘を終えて…

実を言うと、月〜木まで11月6・13日合併号の作業だったが、前回の合併号作業よりは成長したんじゃないかって思っている。
なぜならば、今回、署名入りの記事が2つ掲載されているってこと。一つは、日曜日に取材した「2006私鉄のうたごえ祭典」の記事。もう一つは、首都圏青年ユニオンの委員長、伊藤和巳氏にインタビューをしたものをまとめたもの。どちらも全力で書いたのだが、自信作は後者の「首都圏青年…」の方。以下、一部加筆修正したものを転載。(写真は合併号の一面)



闘うことを学ぶ場、青年ユニオン

「今の青年は素直で真面目なんです。でも、真面目すぎるから会社から不当なことをされても『俺のせいだ』って我慢してしまう…」と丁寧で優しく語りかける話し方が印象的なこの人は首都圏青年ユニオン執行委員長の伊藤和己さん。「今の青年は自分の立場や権利を知らないし、知らされていない。学校でも職場でも教えてくれない。まずは知ることが大切なんです」と話を続ける。
首都圏青年ユニオンが大切にしていることは、“一人でも入れる、でも一人にしないこと”、“一人ひとりが支え合い立ち上がること”」だと言う。それは、「参加型の団体交渉」や、「地域分会づくり」に貫かれている。
「参加型の団体交渉」とは、一人の組合員の団体交渉があると、日時や場所などの情報が他の仲間にもメールで流れ、その組合員の団体交渉に参加するというもの。「団体交渉に参加することで、たたかいを直に感じることができるし、たたかっている側も「一人じゃないんだ」と励まされ、普段は地域が違うため会うことがない組合員との仲間意識も芽生える」。
フリーター、派遣社員、正社員、青年なら誰でも入れる青年ユニオン。組合員それぞれは別々の職場や職種だから横のつながりが築きにくい。そこで目を向けたのが組合員が住み働く“地域”。地域での支え合いを重視した組織化を進めていくこと。現在、都内に9つの地域分会がある。“たたかいの根”は、静岡や山梨、広島、三重、鹿児島など全国にものびている。
自分の争議が解決するとユニオンから離れていく青年もいるのではないか。「たしかにいます。でも、“たたかい”を学んだ青年たちが地域で分会をつくる担い手になっている例も多い」と、力強い口調に変わる。「青年ユニオンは単なる“問題解決屋”“争議解決屋”じゃないんです。青年同士が支え合って、労働者の権利を学び、自ら立ち上がる場なんです」。
今後の展望は「青年自身が主体的に組合をつくっていけるような環境をつくること。そのためにも、もっと青年にユニオンの存在を知らせてきたい」と語る。
いまの新自由主義政策のもとでバラバラにさせられ、自信や自己肯定観を失った青年たちをつなぎなおし、たちあがる勇気とたたかう確信がつかめる青年ユニオンという場所は希望の星。そして、何よりその存在を知らせていくのは青年自身なんだと強く感じた。