集団

 「現場には監督がOKと言っているのに『すみませんもう一度お願いします』という人たちがけっこういる、自分の仕事に自信と誇りを持っている証拠と言えるのかもしれないが、私はまずやらない、納得の出来ないOKもあるけれど納得の出来ないNGもある、しかしそれを決定する権利と責任を負っているのが監督であると思えばこそNGと言われれば文句もいわず−または文句をたれつつ−リテイクにも従うわけなのだ、ならば逆に監督がOKと言うならそれでかまわないと思うのだ」 根岸泉・操演技師

 全体を見て仕事をするということ、集団で創造するということはそういうことだ。個人の誇りやクリエイティビティはときとして全体を邪魔させる。自分の誇りや作家性を貫き通したければ、個人でやれば良いのである。


 入稿あけの水曜日。未稿の原稿をチェック。ふと「全体をみて動く」とはどういうことかを考えたら、上記の根岸氏の言葉が蘇ってきた。僕は、すべてが納得済みのダメだしばかり。納得のいかないOKも納得のいかないNGもまだまだなんである。