竹内宏介さん
スポーツジャーナリストでプロレスマスコミの重鎮、竹内宏介さんが三日亡くなった。三年前から脳梗塞を患い闘病生活をしていたが、六三歳、早すぎる。
竹内さんは、今は廃刊の週刊ゴングで長らく編集長や顧問を務め、また、NTV「全日本プロレス中継」解説者として、プロレス業界、ファンからリスペクトされ続けている。
わたしもその一人だ。
山本小鉄さんが亡くなった際にも書いたが、竹内さんはわたしにとって、プロレスの“先生”だった。
わたしが意識的にプロレスと接し始めたのが十二歳。天龍同盟華やかりし頃の全日本プロレスだった。 その後、天龍が全日を離れ、ジャンボ鶴田エース時代、超世代軍時代、四天王時代、とにかく全日本を観続けた。そして、その傍らにはいつも竹内さんの解説があった。
選手のちょっとした表情や技のかけ方の変化、心情までも読みとるプロレスマスコミならではの解説に、自然と“プロレスの見方”“プロレスの語り方”を学んだ。また、時折り出てくるファン目線での解説(特に馬場さんやオールドレスラーがらみの試合が多かったが)、熱い語り口も共感できた。
竹内さん宅にある膨大な数のプロレス映像・資料を中使った番組(NTV『FULLすぽーつこれくしょん』)もあったほど、歴史の証人としての彼の功績も忘れてはならない。
「これはですね!」という軽快で興奮した声はもうビデオやYouTubeでしか聞くことはできないけれど、竹内さんの「プロレスファン主義」は永遠に残る。
偉大なプロレスマスコミ、永遠のプロレス少年に合掌。