日本 カナダ引き分け

日本 カナダ引き分け 詳報/ラグビーW杯
 トンガ戦同様主力を使いきってのこの結果。二つとも勝てる試合だった。自陣でのミス、相手陣でのチャンスを逃す――。セットプレイでのプレッシャーに弱いジャパン。
 「感情的になった」。そう小野澤宏時選手(WTB=33歳)が語っていたが、冷静さこそがテストマッチラグビーの国際公式試合をこう呼称する)にもとめられる。だからこその“テストマッチ”なのだ。
 試合後、大舞台で初めて主将をつとめた菊谷崇選手(NO8=31歳)が泣いていた。「今期で代表は最後」と誓ってのぞんだW杯。悔しさ、ふがいなさ、重圧からの解放、様々な思いが交錯したのだろう。菊谷の肩を抱く大野均選手(LO=33歳)も涙目だ。
 そしてスタンドのジャパンサポーターから拍手が起きる。「泣くな! 勝って泣け!」。そんなふうに聞こえたのは僕だけではないはずだ。
 「日本チームが一丸で戦うことができたのは、ファンの皆さんのサポートのおかげ。次のイングランド(大会)、そして日本(大会)で活躍するためにも、応援お願いします」。菊谷がサポーターに呼びかけた。
 そうだ。ラガーに悔し涙は似合わない。次回、ラグビーの聖地で勝利の涙を流そう。


▲8月21日、対アメリカ戦終了後の菊谷主将