原動力は「小さな我儘」――食事日記
ここ二カ月、食事日記にハマっている。
イチタメシと名付けているその作業は、毎晩一日の終わりに食べたものをスプレッドシートに書き込む。毎食、一品ずつのカロリー、ご飯やパンはグラムを記帳する。漏れなく、ダブりなく(by HRインステュート)記帳する。きょうは何を食べ、何を摂りすぎ、何が足りなかったのかと一日を振り返る。そして、明日は何を食べようかと考え、妄想し、楽しむ。
食や自分の身体を見つめ直す時間というより、一日を総括する時間と言ったほうがいい。
入院中、看護師さんや療法士さんに言われてやっていたことなんて、退院したら続かないんだろうなと思っていた(し、周りからもそう思われてたと推察していた)のだけど、きょうで二カ月目。頭を打つと人が変わるというけれど、僕の場合は「変わった」のでなく、以前にも増して「臆病になった」のだ。
だからといって、特段、節制しているわけでもない。ベジファーストだの、ローカーボだの、グルテンフリーだのとヘルシー思考になってもいない。というか、ならない。
退院のときに、綺麗な管理栄養士さんに言われた範囲(一日の摂取カロリー、毎食の炭水化物のグラム)をまもっているだけ。
「しなきゃいけない」とか、「するべき」では続かなかったし、楽しめていない。
根っこにあるのは、明日をより快適に過ごしたいという「しごく普通の要求」と、かわいい女子にエエカッコしたいという「中2的チェリー思考」。そんな、「小さな我儘」をこれからも、持ち続けていこうと銭湯の脱衣室でおもいふける……。