第17回江戸やっこまつり


 一九九七年、日本のうたごえ五十周年(九八年)にむけて、東京近県の和太鼓グループ・民舞グループの競演の場をとはじまった「江戸やっこまつり」。今年は、府中の森芸術劇場で開催。近年最多の出演団体数三十一、九つの合同演奏で六時間超、いつになく太鼓三昧の一日となった。
 出演者層も幅広く、“川崎太鼓仲間響”“跳鼓舞”“きんたの会”などの常連組とあわせて各グループの若手などが指導する地域サークルが多数。そして特筆は、開催地府中から6グループが初参加。友情出演の府中東高校和太鼓部は「花を添える」以上の、圧巻の演奏で会場を魅了した。
 十七年前にはじまったこの祭りも、近年は「ぶち合わせ」「秩父屋台囃子」といった定番演目・和太鼓に偏る傾向が見られた。今年はというと、西多摩民族舞踊の会の「こきりこ」、二胡演奏で会場を江戸からアジアへと誘わせてくれた胡友会など、踊りや太鼓以外の楽器グループも徐々にではあるが参加し、「まつり感」を取り戻しつつある。イベントを継続し続けることに感心するが、演奏発表のオンパレードという感は否めない。演奏交流とはなんなのか、「まつり」とは…そのことに一歩二歩の踏み込み、来年さらに洗練された「まつり」を期待したい。