希望の国


 綿密な取材をしなければ出てこないことばや描写に驚き、つらく切ない気持ちになり涙を流した。私の隣に座っていた女性も涙をぬぐっていた。
 どうしようもできない現実を目の前に、それでも生き抜かなければいけないということが貫かれている一方、死んだほうが希望を得られるかという、ラストにさしかかるなかでの老夫婦の結末、息子夫婦の結末は正直疑問だ。「愛があるから大丈夫」という台詞も本当にそうなのだろうかと―。しかし、それこそが園監督の問題提起なのだろうかと…。