サウンドオブミュージック


 あらためていうことではないけれど、名作というのはいつの時代においても色あせずに残るもの。その時代をきりとるだけでなく、後の世に伝えるべきことをしっかりと入れ込む。
 「サウンドオブミュージック」――。言わずと知れたミュージカル映画の最高峰。これを越える作品は二度とない。何が素晴らしいか。キャスト一人一人の歌唱力や演技、絶妙な間で挿入される音楽だけでなく、美術や撮影も色彩感覚に溢れていることだ。アカデミー賞では作品賞監督賞音楽賞が注目されているのだけど、実は撮影賞や美術賞にもノミネートされているのだ。

 祖国の歌、エーデルワイス。このシーンも印象的だけど、これがラストにつながるとは……。音楽祭出番の最後にトラップさんが祖国を想い声をつまらせながらうたうシーンは要ハンカチである。