臓器提供家族が決断するとき

 NNNドキュメント視聴。改正された臓器移植法が施行されてから、脳死下の臓器提供が増えていることはなんとなく知っていたが、移植コーディネーターという職業は恥ずかしながら初めて知った。臓器を提供する人やその家族に寄り添う姿、病院をまわっての講習活動などの姿は新鮮で強烈だった。
 家族に「息子さんがんばりましたね。もう一回頑張ってきますからね」と語りかける姿。「息子の一部がどこかで生きてるのなら。嬉しい」と話す家族。どれもグッとくるものがあった。
 今年、新しく七人のコーディネーターが採用されたらしいが、過密労働などですでに二人が辞職していることも見過ごせない。まだまだ、模索が必要な分野だとあらためて認識した。

NNNドキュメント'10「臓器提供家族が決断するとき」http://www.ntv.co.jp/document/
ナレーター : 尾山憲一
制作 : 読売テレビ
 今年7月の改正臓器移植法の施行後、脳死下の臓器提供が相次いでいる。普段メディアで映し出される「臓器移植」は、病院から臓器が運び出される場面や、移植を受けた人が元気になった姿だけだ。家族が「愛する人の死をどう受け止め、提供を決断するのか」といった現実は伝えられていない。法改正により、本人の意思はなくても家族が臓器提供を決断できるようになり、家族に寄り添う移植コーディネーターの役割は重要になった。番組では、これまで撮影が許されなかった移植コーディネーターの臓器提供の現場に密着。小林由紀子さん(37)が、息子の臓器提供を決断した家族に向き合う姿を通じ「命のリレー」と呼ばれる臓器移植の原点を見つめる。